ぼくは世界にひとつだけの花
貴重な花

でもぼくの色は まわりとよく似ている

確かに違う 
隣の人とは違う

それでもその色も形も
たいした特徴もなく まわりに溶け込んでいる

こんなに沢山の花の中では
秀でて目立つことなど不可能

それならば 誰かの花になろうと
自分以外の人を愛してみた

ぼくは切花になった
いつも世話してもらい 水を変えてもらう

でもぼくを愛して
ぼくが愛したあの人は ぼくが邪魔になった
他の花に惹かれて あっさりとぼくから離れて行った

お前の存在が苦痛なんだと 言われてぼくは色を失った

ぼくは一度 枯れた 
悲しみの涙を種として落として

切花のぼくは 水を与えてもらえず
そのまま干からびていなくなった




でもぼくは悲しみの種から
もう一度芽を出すことにした

自分で出すことにした
アスファルトの隙間から 自分の力でその芽を

ナンバーワンにならなくてもいいと
ナンバーワンになった人が歌う

ぼくは悲しいので
とても悲しいので
自分で栄養を吸い上げ
伸びていくことに決めた

世界にひとつだけの花は
沢山の中にまぎれた花

目立ってみようとして諦めて
特別になろうとして失敗した

それでもそこにいる限り
誰かが少しは見てくれる

一番でなく
切花でなく
オンリーワンになれなくて
栄養摂るのも ヘタクソで
いっつもヒョロヒョロしてるけど

誰かが見ていてくれている
だから も少し 頑張れる